パステル調ハイキーの限界

ポートレートによくあるパステル調ハイキー写真は、欧米では好まれない。

欧米のアート系写真サイトがローキーばかりなのは、明度や彩度に対する美的感覚が、気候や風土に関係しているからである。

空気が乾燥している欧米では、水分による光の拡散が少なく光が硬いため、欧米人は陰影の強い写真にリアリティーを感じる。

さらに、ヨーロッパでは日射量が少ないので、自然は鮮やかではない。その環境に住む人は鮮やかさを抑えたニュアンスのある色を好み、パステル調ハイキー写真は、稚拙に感じるだろう。

中国南部や東南アジアなどの東洋は、日射量があり湿度は高いので、鮮やかで陰影の少ないパステル調ハイキー写真が好まれ、色味を抑えたローキー写真は、 陰欝に感じるだろう。

日本人の好みといえば、気候や風土にワビやサビの文化が加わって、東洋と西欧の間を揺れているように思う。


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